平和の日 終演!
二期会オペラ コンチェルタンテシリーズR.シュトラウス作曲「平和の日」が終演いたしました。
公式サイトのストーリーはこちら。
《ものがたり》
17世紀。すでに宗教戦争は三十年にも及んでいた。ここは敵に包囲され、食糧も弾薬も尽きた町。疲弊する兵士や市民たちは降伏を求めるも、皇帝の命令に背けない司令官は必死の戦闘を続けろと人々を鼓舞する。司令官の妻マリアは、自決も辞さない夫の姿に嘆き悲しむも運命を共にすることを誓い抱き合う。そこに大砲の音が鳴り響く。ついに敵軍の総攻撃、と思いきや、今度は教会の鐘が一斉に共鳴する。「平和の鐘」と気づくマリアと、「敵の罠だ」と警戒する司令官。そして、市長があらわれ、和平条約が結ばれたことを告げる。ついに、要塞は開かれ、敵兵も市民も区別なく肩を取り合い、戦争からの解放を喜びあう。
僕の役は、包囲網を潜り抜けて皇帝の密書を届けにきたピエモンテ州のイタリア人青年の役でした。戦争と無縁の平和なイタリアからきた青年で、おそらく道中何度も死線をかいくぐり、ノイローゼのようになっちゃった可哀そうなピエモンテ人。ひたすら現実逃避のようにカンツォーネを歌う役でした。
4/8出演者全員で
今回のオペラは、日本初演どころではなくなんとアジア初演だ!との話で出演者にも気合と熱が入りました。しかし本当に…本当に難しいオペラでした。
ピエモンテ人はおそらく一番歌う分量が少ないのですが、とにかく歌いにくいフレーズばかりで苦労しました。
カーテンコール(Twitterより)
作曲当初の当時のドイツは、ナチスが権力を握っていました。台本の中にプロバガンダ的な要素が色濃く出ていますが、しかしとはいっても作曲家や台本作家に罪はないと私は信じたいです。そのくらいこの「平和の日」の音楽も台本も優れた作品だと感じました。
このオペラの制作が決まった時点では、ウクライナ・ロシアの戦争が始まる前でした。時勢とは関係なく選ばれたはずの演目ですが、そういう宿命の作品なのかもしれませんね。ご来場いただいた皆様はどうおかんじになられましたでしょうか。
稽古風景から
素晴らしいキャストに囲まれて、1年半ぶりの二期会オペラ公演でした!そして今回で長期間の大改修となるBunkamuraオーチャードホール!しばしのお別れ!またあう日まで!
2023.04.09