Monthly Archives: 11月 2015

11月20日 ボエームによせて

渋谷エレクトーンシティにてサロン・オペラシリーズvol.1
プッチーニ作曲「ラ・ボエーム」にて詩人ロドルフォ役にて出演して参りました。

プッチーニのオペラの中でもっとも瑞々しく、活気にあふれるオペラ「ラ・ボエーム」
パリの若き芸術家ボヘミアンたちの青春と悲恋を描いたこのオペラは僕にとって特別な作品です。
[開演前の会場]
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僕がまだ18歳の高校生の時、初めて声楽の道を志したとき、家にあった唯一のオペラのCDは
ルチアーノ・パヴァロッティのものだった。このCDはロドルフォが歌うアリア「冷たき手を」で
はじまるCDでこの曲を聴きながら「いつかこんな美しい曲を歌える日が来るのだろうか」と思ったことを思い出しました。
[コッリーネ水島君と]
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今回の企画はソプラノ武井さんによる企画。マーケティングのプロフェッショナルでもあり、プリマドンナですが
何よりも彼女のすばらしい点は人望だなぁと感じました。彼女を信頼し、慕う人たちもまた彼女のように豊かで多彩な人ばかりであり、
そんな人たちに囲まれたすばらしい現場でした。
[全メンバーで一枚]
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このメンバーでやるボエームが最後かと思うととても切ないです。

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打ち上げのビールは格別でした。次の日も仕事だったため最後までいることができず残念でした。
さらば!ボヘミアンの青春の日々!


 

2015年11月20日 サロンオペラシリーズ「ラ・ボエーム」

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11月20日(金) ヤマハエレクトーンシティ渋谷
18時15分開場 18時45分開演

指揮:        井上 博文
キャスト:
ミミ         武井 涼子
ロドルフォ      前川 健生
ムゼッタ       岩下 晶子
マルチェッロ     大島 嘉仁
ショナール      大槻 聡之介
コッリーネ      水島 正樹
ベノア/アルチンドロ 松井 永太郎
エレクトーン:    鈴木 弥生
演技指導:      惠川 智美

 

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全員集合。

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二期会研修所同期のリリックバリトン水島君と。


 

2015年11月06日 魔笛ハイライトコンサート

11月6日(金)
魔笛ハイライトコンサート

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♪タミーノ役にて出演

♪18時Open 19時Start

ザラストロ :ジョン・ハオ
タミーノ  :前川健生
夜の女王  :別府美沙子
パミーナ  :藤原唯
侍女Ⅰ/童子Ⅰ:富永珠未
侍女Ⅱ/童子Ⅱ:梶田真未
侍女Ⅲ/童子Ⅲ:栗田真帆
パパゲーナ :加藤早紀
パパゲーノ :加藤史幸
制作・構成 :藤野沙優
ピアノ   :河崎恵
♪新宿 白龍館♪¥4000円+ワンオーダー(全席完売しました)

白龍館クローズイベントとして魔笛のハイライトコンサートに出演しました。

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パパゲーノ 加藤さんとは東京オペラの魔笛でも共演しました。

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別府さんはルチアーナ・セッラの弟子。メトロポリタン魔笛タミーノのアライサのように膝まづいてみました笑

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いかしてるぜ!加藤の兄貴!

 

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パミーナ 唯さん。二期会で二年間同期。いつも素敵なソプラノです。

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パパゲーナ&フルートの加藤さん!今回フルートで初共演でした。

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ザラストロ役 ハオさん。素敵な声を白龍館に響かせてくださいました。

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さよなら白龍館!夏のコンサートも昨日のことのように思い出されます。

 


 

夏のガラコンサート…トスカに挑戦

ダナエの愛の稽古の最中にいくつかの本番をかかえておりました。
どの本番も思いで深いのですが、中でも指揮者原田太郎さんと共演したオペラガラコンサートが忘れられません。

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原田さんとは国立音楽大学オペラプロジェクトでご一緒したご縁で、このコンサートにお声がけいただきました。
今回のガラコンサートではモーツァルト魔笛よりタミーノ、フィガロの結婚よりバジーリオ、
そしてトスカ1幕ハイライト カヴァラドッシを演奏しました。
カヴァラドッシはもちろん初役です。難役でしたが、原田さんや演出の家田さんはじめ、皆さんに支えられ、当日はとても楽しく演奏できました。妙なる調和でちゃんと拍手が来たときはひとまずほっとしました。
アンジェロッティ、フィガロ役に学芸大同期の目黒くん。学芸大時代には大喧嘩したこともありましたが、二年越しの共演。彼のノーブルな声を久しぶりに聞いて、大学時代のことをたくさん思い出しました。学芸大の同期と現場で出会えることはとても励みになります。

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スーパーバリトン今井さん、国音の大先輩村松さんをはじめ多くの方と力を合わせて成功させた本番。とても楽しかった夏の思い出です。

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終演後の1枚。大好きな写真です。


 

N先生についての記憶 その1

知る人ぞ知る伝説の音楽家 N先生。
もうお亡くなりになってから数年と経ちます。演奏がうまくいった時、うまくいかなかったとき、悲しいことがあった時、ワーグナーを聴く時、ことあるごとに先生のことを思い出すのですが。

大学二年生の時に練習のしすぎと風邪をこじらせ声帯結節をつくってしまいました。完治はしたのですが、声を出すことへの恐怖症で人前で歌うことが恐ろしくなったり(普段私のことを知ってる人はびっくりするかもしれませんが笑)。
今でこそ歌う機会を少しずついただけるようになりましたが、当時は演奏の仕事などもちろん、学内や友人企画の出演も断ってました。まぁそもそも絶望的に下手くそだったので誘いもほぼありませんでしたけど。

そんな時に国立音楽大学で面白い授業を開講してる先生がいると耳にしました。

「演奏家の為の理論ソルフェージュ」

とにかく意味不明だけど、講師が面白い、というか、天才じゃないのか、一周回ってやっぱ意味不明だろなんなのあれ、そんなクチコミの授業でした。
大学三年生、前川は音楽演奏以外の成績はダブルAの成績の優秀さ(音楽演奏はBかC 今思い出しても溺死したくなるほど演奏できなかった)で三年時で単位の心配はほとんどなかったため学内の授業などほとんど取らずボーッとしたキャンパスライフをおくりそうになってましたが、この演奏家の為の理論ソルフェージュという授業に呼ばれてるような気がし、受講することにしました。

いまでも忘れられない初日授業。

突然乱暴に開かれるドア。

杖をつき、

分厚い眼鏡、

浮浪者のような髭、

禿げ散らかった頭、

どうみても禍々しいオッサンがそこにいました。
(うわぁなんかヤバそうなのきたぁぁぁ)
正直な感想でした。
「…出席を取る」
明らかに不機嫌な声。目もすわってる。というかなんなんだその服は、上着もズボンも同色ストライプじゃないかほぼパジャマだろう。

ヤバい

確実にヤバいぞこれは

出席を取り終えたその男はぶつぶつと呪詛のようなものを唱えながらピアノ椅子に座った。
突然目がクワッと開き、修羅のごとき勢いでピアノを弾きだした!えええ!何か説明とか授業の導入とかないよかよ!!しかしその音色といいテンションといい僕は昨日のごとく覚えているのだが、信じられないほど力強く、豊かな演奏だった。

ヤバいよママン

生徒たちが呆気にとられる中。突然ピアノが止まる。

クルッと我々を見つめ不気味な笑顔を浮かべたその男は
「皆さんご存知のとおり、この曲マーラー第三交響曲です ラインスドルフの演奏からもわかるとおり…」

ああヤバい人に出会ってしまった。

でも一番ヤバいのは、

僕がかつてないほどに心踊っているということです。この人とんでもない先生だ、そう直感したのでした。